2021.12.07

共同研究

オフィス学研究の第一人者 東京大学大学院/稲水伸行准教授にきく
生産性向上のために整えるべきはオフィスだけではない?
〜企業が“自社らしい働き方”に気付くために〜

『働く人』と『働く環境』の両面から企業支援を行う株式会社ティーズブレイン(所在地:東京都品川区、代表取締役:竹下仁、以下当社)は、オフィス学研究の第一人者である東京大学大学院経済学研究所/稲水伸行准教授(以下稲水准教授)と、産学連携による共同研究を行っています。

当社は、稲水准教授に対し、当社と共同研究を実施している理由や、共同開発したサーベイ『モバサク -Mobile Work Success-』(以下モバサク)の、働き方が多様化する中での活用方法についてインタビューを行いました。
(以下、株式会社ティーズブレイン:ティーズブレイン社、稲水准教授:私 と表記)

2021年10月1日 オンラインインタビューの様子(稲水准教授)

■ティーズブレイン社と共同研究を開始したきっかけ

私は、職場の物理的環境や情報技術の導入、人事施策がどのようにして成果(生産性やクリエイティビティ)につながるのかについて研究しています。

ティーズブレイン社との出会いは、2015年に開講した私の講演に、ティーズブレイン社の社員の方が参加していたことでした。ティーズブレイン社の話を聞き、「企業ごとに“自社らしい働き方”をカスタマイズしてオフィスを創る」事業に興味を持ちました。企業が“自社らしい働き方”に気付き、そこに変化していくためにはどうしたら良いのか、ということは組織変革の研究でもあり、私の研究と見ている視点が近かったためです。また、私自身が、経営学的な視点でオフィス(レイアウトやデザインに限らない)を研究できないかと考えていた時期でもあったことから、ティーズブレイン社との共同研究を開始するに至りました。

■モバサク開発の背景

2016年に共同研究を開始した当時は、チェンジマネジメントのプロセスのモデル化や、ケースごとに変革プロセスの整理をしていました。ティーズブレイン社は、整理された過去事例に基づき、定性的な変革プロセスを顧客ごとに検討・提供していました。しかし、それでは客観性が不足しており、根拠として示すことに懸念がありました。そこで、サーベイを開発することで、データを収集しながら働き方や組織の変革プロセスを追えるのではないかと考えようになりました。サーベイは、「生産性高く働くためには、人・組織のマネジメントだけでなく、働く時間と働く場のマネジメントも掛け合わせて施策を打つことが重要である」というオフィス学の考え方に基づき、人間(組織)・時間(行動)・空間(環境)の3視点から分析できるようにしました。時間の使い方を含めてトータルでデータを収集する診断はあまり例がないので、研究としても面白いと思い、モバサクの前身となるパフォーマンス診断(以下P診断)の開発に携わりました。経営学の世界でも、ここまでしっかりデータが蓄積していることは稀なので、画期的な研究だと思っています。

P診断の設問は、基本的にオフィス出社を想定して構成されていましたが、2020年にコロナウイルスの影響を受け、多くの企業で従来の働き方が大きく変化しました。そこで、P診断もオフィスに捉われない多様化した働き方に対応させていく必要があると考え、P診断のリニューアル(モバサクの開発)に尽力しました。

■モバサクの活用方法

企業において、働き方に対する従業員の意識を定期的に把握することは重要です。

モバサクは、『働き方』と『ワークプレイス』の両面から診断することができ、i-deals(多様な働き方に対する個人の意識や価値観(働き方・キャリアに対する主体性))や、多様な働き方に対する会社・組織の受容性などについても可視化できます。つまり、職場で何となく感じている違和感や課題感の原因や、導入した職場の物理的環境・情報技術・人事施策が不適当なのか、新たな施策を打つ必要があるのか等について、幅広く明らかにできます。

肌で感じている違和感を基に議論をしても、議論が進まないことや、誤った結論に至ることも少なくありません。データを基にして議論をすることは重要です。また、分かりやすく信頼性の高いデータを基に議論をすることができれば、建設的な意見が出やすくなるため、とても効果的です。議論をする際には、現場の人や現場を見ているマネージャーの意見を大切にすることを推奨しています。

また、オフィス移転や働き方制度導入の前後1~3年間に、継続してデータを収集することができると、実施した施策の効果を正確に計測することができます。「オフィス移転・働き方の制度導入の前」「オフィス移転・制度導入の直後」「期間を空けて、効果が持続しているのか」を時系列で計測していくと良いです。“企業の健康診断”として、年に1回など定期的に実施することが定着していくと、長期での効果を測ることができ、より良いと思います。

モバサクを実施する際には、なるべく従業員全員に回答してもらうことをお勧めします。サンプリングの手法でランダムに受験者を選択して回答してもらうと「回答していない人は違う意見かも知れない」と捉えることもできてしまい、経営者やマネージャーから見たときに、データの信頼性が下がることも考えられるからです。

■『モバサク -Mobile Work Success-』の製品概要

名称              : モバサク -Mobile Work Success-
販売料金            : 分析セグメント全社… 300円/人 (税別)
分析セグメント追加… 1項目につき200円/人(税別)
コンサルタントによる詳細分析… 全社含め2項目まで :150,000円(税別)
分析セグメント追加 :  50,000円/項目(税別)
ランディングページ      : https://tb-mobasaku.jp/
過去配信 関連プレスリリース : https://www.t-sbrain.jp/wp/newsroom/pressrelease/499/
https://www.t-sbrain.jp/wp/newsroom/pressrelease/226/
https://www.t-sbrain.jp/wp/newsroom/pressrelease/506/

■インタビュー対象者(稲水准教授)プロフィール

氏名   : 稲水 伸行(いなみず のぶゆき)
肩書   : 東京大学大学院 経済学研究科(経済学部) 准教授
生年月日 : 1980年1月12日(41歳)
出身地  : 広島県
略歴   : 平成15年3月   東京大学経済学部卒業
       平成15年4月   東京大学大学院経済学研究科修士課程入学
       平成17年3月   同上卒業
       平成17年4月   東京大学大学院経済学研究科博士課程入学
       平成17年4月   日本学術振興会特別研究員(DC1)
       平成20年7月   同上単位取得退学
       平成20年8月   東京大学ものづくり経営研究センター特任研究員
       平成20年10月   博士(経済学)(東京大学)
       平成21年4月   東京大学ものづくり経営研究センター特任助教
       平成22年4月   筑波大学大学院ビジネス科学研究科准教授
       平成23年10月   筑波大学ビジネスサイエンス系准教授
       平成28年10月   東京大学大学院経済学研究科准教授
研究分野 : 経営科学、経営組織論、組織行動論
研究課題 : 日本企業の職場組織の動態について、定量・定性の両面から調査分析を行うとともに、コンピュータ・シミュレーションを
       用いたモデル化にも取り組んでいる。
       特に、職場の物理的環境や情報技術の導入、人事施策がどのようにして職場の広い意味での成果(生産性やクリエイティ
       ビティ)につながるのかについて研究している。
       ホワイトカラーの職場であるオフィスだけでなく、ものづくりの現場も調査するほか、最近では営業組織に関する研究にも
       取り組んでいる。
受賞歴  : 行動計量学会 肥田野直・水野欽司賞(奨励賞)(2009年8月)
       組織学会 高宮賞(著書部門)(2015年6月)
主な著書 : 流動化する組織の意思決定(東京大学出版会、2014年)

■会社概要

会社名   : 株式会社ティーズブレイン
所在地   : 東京都品川区東五反田5-21-15 メタリオンOSビル4F
代表取締役 : 竹下 仁
設立    : 2010年2月3日
資本金   : 23,900,000円
連絡先   : TEL 03-6408-5000 / FAX 03-6408-5005
URL    : https://www.t-sbrain.jp/wp
事業内容  : 働く環境の変革コンサルティング事業
        働く人のパフォーマンス向上コンサルティング事業
        オフィス(構築)にかかわるコスト削減事業 等

■本件に関する報道機関からのお問い合わせ先

株式会社ティーズブレイン
広報担当 梶原 朋彦
TEL: 070-1279-5821 / e-mail: t.kajiwara@t-sbrain.jp

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